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フォンタン後のワーファリンに関すること
2008 / 09 / 25 ( Thu )
けんちゃん、おとといからちょっぴり鼻たれ小僧です。
2週間後にカテーテル検査を控えているから早めに小児科を受診して、ポララミンシロップ・エリスロシンドライシロップ・プルスマリン・塩化リゾチームをもらってきた。
早くよくなりますように☆
といっても、昨日は小学校の懇談会に連れ出し、明日は幼稚園の親子遠足。
末っ子はゆっくり休んでいられなくてツライわね^^;

けんちゃんはエリスロシン(抗生剤)の味があまり好きではないのだけど、それでもいつもの心臓のお薬とあわせて水だけで溶いてスポイトで飲んでくれる。
たまに「おえっ」ってなってしまうけど、あの不味かったミノマイシン(抗生剤)やフェロミア(鉄剤)に比べたら全然まし。
お兄ちゃんやお姉ちゃんが2歳ぐらいのときには病気になるたびにどうごまかしてお薬を飲ませようかと頭を悩ませたものだったが、けんちゃんは生まれてから今までごまかし一切ナシ。
薬を何かほかの飲み物や食べ物に混ぜて飲ませたことはない。
これから先もずっと薬の服用がつきまとうはず。
だから、いちいちごまかしていられないから。

さて、一生つきまとう云々といえば、ワーファリンのこと。
最近一番熱心にネット検索しているのがワーファリン。
しつこい性格なのでとことん調べます(笑)

以前、フォンタン手術後の諸問題について書いた記事の中で「人工血管の使用不使用にかかわらず、フォンタン循環では凝固異常が存在するという報告もあり、術式に関係なく何らかの抗凝固療法が必要(これに関する詳細は長くなるのでまた別途記事にする予定)」と書いたっきりになっていて、詳細を書きたかったのだけど、凝固異常に関する資料が少ないのと(それをそのまま鵜呑みにして紹介していいものかどうか・・・)ワーファリンのことを調べれば調べるほど奥が深くてどうにもまとまらないまま今に至っている。

いつかもっとわかりやすく上手くまとめられる日がくると期待しつつ、とりあえず覚書として。
(何もシロウトがそこまで頑張る必要もないだろ、とつっこむ自分もいたりする^^;)

ワーファリンは昔、殺鼠剤だった。
というのを御存知の方は多いと思う。
現在では「重大な出血を1回ひきおこすごとに20回の脳卒中を予防している」と言われるほど治療効果が絶大であり、かつ使用方法を間違うと危険な薬。
どんな薬でも「治療薬」と「毒」という二面性を持つものなのだろうけど、ワーファリンは結構ヤバイ「両刃の剣」だと私は思っている。
しかも気難しい・・・。
血が止まりにくいというのはもちろんのこと、定期的な血液検査が必要だし、食事の制約もあるし、体調によって効果が大きく変動したりもする。
けんちゃんは男の子だけど、もし女の子だった場合は妊娠・出産にも影響を及ぼすし。

だから出来ることならやめたい、というのが本音。
どうしてもやめたければ、フォンタン後のワーファリンが不要という方針の病院に移ってしまえばすむ話だけど、それは安直過ぎる。
主治医のY医師に「脳梗塞が怖い」なんて言われちゃ、それを無視するのもねぇ・・・^^;

ワーファリンがビタミンKを阻害して肝臓での血液凝固因子の合成を抑えているということは何度も書いているけれど、ビタミンKについて調べてみるとこれまたなかなかおもしろい。
ビタミンKはなぜ「K」か知ってる?
最初に発見されたときに血液の凝固を大きく左右する物質として発見されたから、オランダ語(発見者はデンマーク人)の「凝固(koagulation)」の頭文字をとって「ビタミンK」と呼ばれるようになったんだとか。

ビタミンKは血液凝固因子だけでなく、ほかにも体内で作られるさまざまな物質の合成に関係している。
それをいちいち説明していたらきりがないから省くけれど、見過ごせないのはプロテインCの合成にも関係しているという点。
このプロテインCというタンパク質は抗凝固作用があり、凝固因子VaおよびVIIIaを抑えて血栓を溶かす働きをする。

血管の中では常に凝固と線溶(血栓を溶かして分解)を繰り返していて、様々な凝固系の物質・線溶系の物質がうまくバランスを保っているのが普通。
このバランスが病気や生活習慣などで崩れると、血栓ができやすくなったり血がとまりにくくなったりする。

ワーファリンでビタミンKを阻害するということは、凝固因子の合成を抑えるだけでなく、実は抗凝固因子の合成をも抑えていることになる。
ワーファリンの作用は凝固因子よりもプロテインCのほうに先に影響を与えるため、ワーファリン服用初期段階での大量投与は逆に血が固まる方向に傾く恐れがあるので注意が必要らしい。
これって、アスピリンジレンマとよく似てる。

で、このプロテインCなのだけど、けんちゃんの場合は生後1ヶ月からずっとワーファリンを飲み続けているから、もし検査をしたらたぶんプロテインCの血中濃度は低いのだろう。
でもフォンタン循環の人はワーファリンを服用していなくてもプロテインCの血中濃度が低い人が多いという研究報告がある。
抗凝固作用のあるプロテインCの濃度が低いということは、血が固まりやすい=血栓ができやすい状態になっているということ。
そしてこのプロテインCの低下は、肝機能が正常値でかつフォンタン後の経過が良好である人にもみられることがあるらしい。
(プロテインCの異常値が、フォンタン後から発生するものなのか、それとも先天的なものなのかはまだ解明されていない。)

フォンタン循環というのは、静脈圧が高く、流れがゆっくりしている。
これをわかりやすくいうと、「エコノミークラス症候群」と同じ状態だということ。しかも、常に。
そこへプロテインCが欠乏したらどうなるか・・・。
フォンタン後の血栓塞栓症はこのプロテインCの関与が有力視されているらしい。

こういったフォンタン循環での凝固系の異常を重視した場合、フォンタン後は積極的な抗凝固療法が必要だということになる。
よく「現在のフォンタンの術式では人工血管を使用するからワーファリンが必要」と言われているけれど、心臓の手術で人工血管やパッチなどの人工物を使用することはよくあることで、そういう人たち全てが術後にワーファリンを服用し続けているわけではない。
「人工血管=ワーファリン」というよりもむしろ「フォンタン循環=ワーファリン」なのだ。
つまり、術式に関係なく(人工血管を使用していなくても)フォンタン循環は何らかの抗凝固療法が必須。
そして、血栓形成とそれによって引き起こされる脳梗塞などのリスクを極力抑えたいのならワーファリンの服用を第一選択とするべき。

というのが、フォンタン後のワーファリン服用を推奨している先生方の考えのようだ。(私の勝手な思い込みかもしれないが)

術後1年程度でワーファリンを中止する病院も増えている。
中にはフォンタン後1年ほどで状態がよければ全ての薬がなくなる病院もあるらしい。
薬を一切飲まず、酸素もせず、運動制限ナシ。
なんてうらやましいっ!(でも、それだとたぶん身障認定はもちろんのこと、特別児童扶養者手当や小児慢性特定疾患の助成対象からもはずれてしまうのでは?^^;)
ただ、フォンタンは術後1年以内と10年以降で血栓塞栓症を発症する確率が高いという研究報告もあり、薬を一切やめている場合でも「大きくなったらまた再開することになると思う」と言われるみたいだけれど。

中学生ぐらいになってからワーファリンを飲み始めたら、きちんと自己管理できるんだろうか?
まぁ、幼児に比べて頭を打ったり転んだりする割合は低いだろうけど、それまで普通に過ごしてきた男子中学生にいきなり「ワーファリン飲んでいるんだから気をつけなさいよ」と言っても聞く耳を持たないような気も・・・
と、考えれば考えるほどいろんな妄想が膨らんできて(笑)ますます収集がつかなくなる。

次は、じゃあワーファリン不要としている先生はどういった根拠でその方針にしているのか。
フォンタン循環における凝固系の異常をそこまで重視していないということなのか。
アスピリンのみで脳梗塞を予防できるのか。
と、逆の立場の意見を知りたいんだけど、今のところその機会に恵まれていない。

今年の学会でもそんなテーマがあったみたいだけど ↓
http://www.nv-med.com/pcs/meeting/program.php?mc=44&day=1&hallsub=2

これからさらに研究が進んで、けんちゃんが大人になる頃には結論が出ているのかしらね?


【参考文献】
Annual Rview循環器2004『Fontan循環と凝固線溶系の異常』(石川司朗)
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フォンタン手術後の諸問題について
2008 / 08 / 02 ( Sat )
ずっとこの記事を書くか書くまいか迷っていて(不安になる人も多いだろうから)、それでもやっぱり知りたい人もいるだろうから、自分が勉強したことを覚書としてここに残しておこうと思う。
あくまで参考程度になさってください。


「フォンタン循環」は非生理的な循環であるがゆえに術後の年数が経過すればするほどさまざまな問題が生じてくると言われている。
フォンタン手術が「根治手術」「機能的根治手術」と言われる一方で、「所詮、姑息手技でしかない」と言い切る医師がいるのもこのためだし、「フォンタン後」が小児慢性特定疾患の助成対象や身体障害者の対象でありつづけているのもこのため。
(ただし、元気すぎると認定から外れることもある。喜ばしいことではあるが)

具体的にどのような問題が起こりうるのかを簡単に説明しておくと

【心不全・心機能の低下】

NYHA分類からみると、フォンタン手術前は患者さんの8割以上が?度に分類されているのに対し、フォンタン手術後1年では?度が約35%、?度が60%弱となる(ちなみにけんちゃんは現在?度)。
つまり心機能が改善されたことを示している。
それが術後10年では?度が約10%、?度が約80%となり、20年後には?度はゼロ、?度が40%弱、?度が60%強と術後の年数が経過するに連れてNYHA分類が悪化してくるという報告がある。
(NYHAについては、「NYHAとは」の記事参照→click!
心機能の悪化は、むくみ・不整脈・弁逆流の原因にもなる。

【不整脈】

上室性頻脈・洞機能不全・房室ブロック・心室性頻拍などの恐れがある。
その原因は、手術の際に心房や洞結節、その付近をいじったり縫合したりしたためだったり、外導管(人工血管)が洞結節のある右房を圧迫したためだったり、右房圧の上昇によるものだったり、心機能が低下して心筋の収縮拡張障害が起きているためだったり、無脾症や多脾症のようにもともとの心臓の形状が不整脈を起こしやすいものだったりとさまざま。
一般的に「APCよりもTCPCのほうが不整脈の発生率が低い」と言われているが、報告によってかなりのバラつきがあり、術後10年での不整脈の頻度を「APCが40%、TCPCが14%」としている論文もあれば「APCが7%、TCPCが18%」としている論文も・・・。
投薬やカテーテル治療(TCPCに関しては術後のカテーテルアブレーションは不可能とも言われているが、そういうわけでもないらしい。でもかなりリスクが高いとも・・・)によっても改善されない場合はペースメーカーを植え込むことになる。

【弁逆流】

まず内科的な治療として投薬(利尿剤やACE阻害剤など)を行い、それでも改善されない場合は外科的治療として弁形成手術、弁輪縫縮手術、人工弁置換手術などを行うこととなる。
(海外では、フォンタン後の高度な弁逆流は心臓移植の対象となるらしい)

【血栓塞栓症】

血栓による塞栓症での死亡率は小児では最大25%、成人では38%という報告がある。
こちらも発生頻度の報告にかなりのバラつきがあって、「術後2年~15年の患者を対象に検査した結果、8.8%に血栓を認めた」とか「フォンタン術後の2.6%に脳卒中を起こしたという報告がある」とか、いろいろ。
人工血管の使用不使用にかかわらず、フォンタン循環では凝固異常が存在するという報告もあり(これに関する詳細は長くなるのでまた別途記事にする予定)術式に関係なく何らかの抗凝固療法が必要。

【蛋白漏出性胃腸症(PLE)】

発生頻度は約4~13%。
慢性的な静脈圧上昇により腹部のリンパ管が拡張し消化管からアルブミン・蛋白・リンパ球・免疫グロブリンが漏出する。
症状は、腹水・胸水・心嚢液貯留・むくみ・慢性的な下痢など。
静脈圧が低い場合でも発症することがあり、局所の炎症や免疫機構の関与も示唆されている。
治療法・予防法はまだ試行錯誤の段階。

【肝機能障害】

フォンタン循環では肝静脈が慢性的にうっ血しており、約半数に肝臓逸脱酵素の上昇やビルビリン値、γ-GTP値などに異常がみられる。

【肺動静脈瘻(はいどうじょうみゃくろう)】

「肺内シャント」とも言う。
肺内の動脈-静脈間に毛細血管を介さない異常短絡路が出来てしまうこと。 
肺動静脈瘻があると酸素化されないまま肺を素通りする血流が増えるため、チアノーゼが増強する。
肝静脈からの血流が肺に流れないために生じることが多く(肝臓で生成される物質が肺に流入しないとできやすいらしい)、肝静脈血流を左右の肺に均等に流すようにしなければならない。
フォンタン手術後よりも、グレン手術後~フォンタン手術までの間にできることが多い。(グレン循環では下大動脈が肺動脈ではなく心臓につながったままなので、肝臓からの血流が肺に流れないため)


フォンタン手術後遠隔期における死亡原因のトップは突然死
と以前チラっと記事にしたことがあるけれど、その原因はさまざまで「高度の不整脈」「心機能の低下」「血栓塞栓症」「蛋白漏出性胃腸症」「肝機能障害による食道静脈瘤の破裂」などなど。原因不明の場合もある。
突然死の原因のうちの半数が心房粗動や心室性頻拍の既往がある。
術前の肺動脈圧が20mmHg以上、手術の際の人工心肺使用時間が4時間以上、大動脈遮断時間が70分以上の場合も、術後早期だけでなく遠隔期においての死亡原因となるらしい。

ちなみに、けんちゃんがお世話になっている病院における1997年~2004年の7年間の調査では、15歳以上の患者さんのフォンタン手術後の死亡例の死因は、肺血栓が1例、再手術によるものが1例、心不全が2例、突然死が2例となっていた。

これらのデータはさまざまな術式のフォンタン手術後のデータをひっくるめたものなので、今主流となっている人工血管を用いた心外導管法のみの長期予後や合併症のデータではありません。
心外導管法が行われるようになってまだ10年そこそこだからね。
この術式での長期予後は、けんちゃんたちが身を持って証明していくことになるのだろう。



参考文献:
『小児科診療 2007 vol.70 No.2』「Fontan手術後の長期予後」(森善樹)
『Annual Review 循環器 2001』「Fontan循環」(近藤千里)
『Annual Review 循環器2001』「先天性心疾患手術後遠隔期の不整脈」(長嶋正實)
『Annual Review 循環器2002』「Fontan型手術の長期成績」(前田克英 村上新)
『循環器疾患最新の治療2008-2009』「成人における先天性心疾患術後例の管理」(住友直方)
『心臓をまもる 第531号』「心臓病児のからだと心の成長」(康井制洋)

http://city.kagoshima.med.or.jp/ihou/561/561-5.htm
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NYHA とは
2008 / 07 / 02 ( Wed )
前回の外来のときに主治医に以来しておいた「小児慢性特定疾患」の継続手続きに必要な医師の「意見書」が郵送されてきた。

小児慢性特定疾患は1年更新で、けんちゃんは毎年8月末が期限。
我が家の住む自治体は初めてこれを申請した月の前月末が期限となるから、患者さんによって更新時期がバラバラなんだけど、同じ県内のほかの自治体はどこも一斉に6月末までが期限なんだとか。
Y医師に「今年は駆け込みの人が多くて、今6月末で切れてしまう患者さんを優先して書いているので、いつも僕は受け取って2週間でお渡しするようにしているんですけど、今回は3週間ぐらいかかってしまうかもしれません^^;」と言われていた。
そして本当にぴったり3週間で届いた(笑)

それにしても、この6月10日の時点でまだ医師の意見書を受け取っていない人って、更新手続き間に合うんだろうか?
次の外来まで余裕があるってことなのかな?
うちの場合は、仮に期限に間に合わないまま(新しい受給者証が届かないうちに)外来日がきてしまっても、身体障害者の「重度障害者医療証」があるからそっちで支払えばいい(しかもこちらでお会計すると自己負担ゼロ!)ので、あまり影響はないのだけど。

さて、届いた「意見書」を見て気になる箇所がいくつか・・・
過去2回の「意見書」では空欄だった
「現在の症状」欄の
「易疲労性(運動制限):有、無(小学生以上 NYHA:Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ)」
というところ。
今まで「有」にマルが付いていただけだったんだけど、今回は「NYHA」のⅡにマルが付けられていた。
それと、「今後の治療方針」欄の
「学校生活管理指導表の指導区分:A、B、C、D、E (幼児も同様の基準に準じる)」は「D」にマルが付いていた。
今までは歩けもしなかったから、こういう区分に当てはまらなかったということなのかな?

たしか前回も意見書を見たときに「NYHAって何だろう?」と思いつつ「まぁ空欄だからいいか」で済ませていたのだけど、今回は丸が付けられて区分されているから、この「NYHA」とは何か調べてみた。

NYHAとは心不全の重症度を分類するもので、ニューヨーク心臓協会が1964年に定めたもの。
この「New York Heart Association(ニューヨーク心臓協会)」の頭文字をとって「NYHA」と言われている。
これの読み方は「ニハ」または「ナイハ」。

NYHAⅠ度
:心疾患があるが症状はなく、通常の日常生活は制限されないもの。
NYHAⅡ度
:日常生活が軽度から中等度に制限されるもの。安静時には無症状だが、普通の行動で疲労・動悸・呼吸困難・狭心痛を生じる。
NYHAⅢ度
:日常生活が高度に制限されるもの。安静時は無症状だが、平地の歩行や日常生活以下の労作によっても症状が生じる。
NYHAⅣ度
:非常に軽度の活動でも何らかの症状を生ずる。安静時においても心不全・狭心症症状を生ずることもある。

このように、数字が上がっていくに連れて重症ということらしい。

逆に「学校生活管理指導表の指導区分」のほうは、AからEになるにつれて制限がゆるくなっていく。
「学校生活管理指導表」で検索したら詳しい内容がわかるはずだけど、D区分だと、体育以外の授業はOK、軽度・中程度の運動もOKだけど、強い運動は禁止。
「強い運動」とはたとえば、全速力・手押し車・ボールを使用するゲーム(試合)形式のスポーツ(サッカー、バスケ、野球、バレーなど・試合形式でなければやってもいい)・マットでの前転の連続・長い距離の水泳・スキー、スケートの滑走・・・・などなど。

小さい子に「全速力やめろ」と言ったところで無理だよね(笑)
「ボールのゲーム」の中に「ドッヂボール」も入るんだろうか??
なんて、そんなことはもっと大きくなってから(本人が実際にやるようになってから)確認すればいいんだけど、下から2番目のD区分でも結構あれこれ制限があるんだね。

ってことは「運動制限は設けない」と言われているうちの病院の場合、フォンタンっ子は「E区分」(経過観察は必要だが制限は無し)になっているんだろうか?
けんちゃんも酸素を卒業したら、区分がかわるのかな。
来年の更新が楽しみ(* ̄m ̄)

まだ先のことだから関係ないと思っていてよく調べていなかったから、今日はじめて知ってちょっと勉強になった。


そしてもう一点、とても気になる箇所が・・・
というか、明らかに「先生、これ間違ってるでしょー!!」という記述が。
来週の外来で指摘するか、気にせずそのまま更新手続きをとるか、ちょっと思案中。



01 : 05 : 30 | 病気の説明 | トラックバック(0) | コメント(6) | page top
感染性心内膜炎と虫歯に関すること
2008 / 06 / 24 ( Tue )
心疾患のお子さんをお持ちの方なら、「心臓病の子は虫歯に要注意!」と聞いたことがあると思う。
なぜ虫歯に気をつけないといけないのか?
それは、感染性心内膜炎にかかる恐れがあるから。これにかかるとヘタすると命に関わるから。

感染性心内膜炎(Infective Endocarditis:IE)とは
血液中に紛れ込んだ菌が心内膜や心臓の弁に付着し塊(「ゆうぜい」または「ゆうしゅ」という)ができる疾患。
塊が付着することにより弁が損傷して弁逆流が起きたり、周辺組織が破壊されて心不全を起こしたり、塊がはがれて別の臓器に飛んで塞栓症を起こす恐れがある。
「細菌性心内膜炎」とも呼ばれているが、最近では「感染性心内膜炎」というのが一般的。

原因
出血を伴う歯科治療・外科的処置により、細菌が血液の中に入ることにより発症する。
原因が特定できない場合も多い。
原因が特定できた場合、その半数が歯科治療、特に抜歯によるものとされている。
原因菌は、連鎖球菌・ブドウ球菌・大腸菌・グラム陰性菌・真菌など。

なぜ心疾患の人はかかりやすいのか
心内膜は本来つるんとしていて健康な心臓にはそう簡単に菌が付着したりしない。
しかも、人間の防御機能が働くので血液中に菌が入ったとしても(これは実は日常的にあること)白血球が退治してくれている。
一方、心疾患患者は、病気や手術により心内膜がキズついてることがよくあり、このキズを取っ掛かりにして菌が塊を作ってしまうことがある。
さらに、人工物には菌が付着・繁殖しやすいため、人工弁、人工血管を使用している場合にはさらに注意が必要。
単心室症・大血管転位症・ファロー四徴症などの先天性複雑心奇形は、感染性心内膜炎の「ハイリスク群」に分類されている。

症状
原因不明の熱・倦怠感・頭痛がある場合には疑いアリ。

その他、治療法や詳細についてはこちらぞどうぞ↓
「感染性心内膜炎の予防と治療に関するガイドライン」
http://plaza.umin.ac.jp/~circ/guideline/JCS2003_miyatake_h.pdf(2003年版)
http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2008_miyatake_d.pdf(2008年改訂版)


原因が特定できた感染性心内膜炎の半数が口からの感染だという。
勘違いされやすいのが、虫歯=感染性心内膜炎だと思われがちな点。
虫歯ができたら即、感染性心内膜炎になるわけではない。
原因菌のトップである連鎖球菌のうち、緑色連鎖球菌が最も多い原因だといわれている。
これは「虫歯菌」ではなくて、口の中にいる「常在菌」で、どんな人の口の中にも存在している。
口の中にはいろんな菌が存在していて(300種類以上住んでいるらしい)、善玉菌もいれば、虫歯や歯周病を引き起こす悪玉菌もいる。
歯の根っこまで達するようなひどい虫歯を放置していて、その虫歯菌が血液中に紛れ込んでしまうということもないわけではないが、普通はそうなる前に痛みがすごくて治療を受けるはずなので稀。

じゃあ何で「虫歯に気をつけろ」と言うのか?
虫歯菌をむやみに増殖させないようにという意味合い、
そしてもうひとつは、虫歯がひどくなって出血を伴うような歯科治療(抜歯や歯神経をいじる処置など)を受けたときに、そのキズ口から菌が血液中に侵入することがあるから、そういった治療を回避するために虫歯にならないようにしましょうということ。
要は「口の中をキレイにしておきましょう」ということなのだ。

つまり、出血を伴わない初期虫歯の治療は普通に受けてもかまわないということ。
もちろん虫歯をつくらないことが一番大切なんだけど、万が一虫歯になってしまった場合には初期のうちに積極的に治療して、虫歯がそれ以上広がらないようにする。
虫歯をしっかり予防できるように、そして虫歯を初期のうちに発見できるように、定期的に歯科検診を受けておくことが望ましい。

もし出血を伴うような処置を受けなければならなくなったときには、事前に歯科医師に感染性心内膜炎のハイリスク群であることを告げ、循環器の主治医にも相談すること。
処置の前後に抗生剤を飲んだり、ワーファリンを一旦やめたりする必要があるので。

ところで、口の中の出血は何も歯科治療だけではない。
ハミガキしていて歯茎から出血することもあれば、食事中に口の中をかんでしまったり、転んで切ってしまったり。乳歯から永久歯の生え変わりのときにも出血することがある。
こういった日常的に起こりうるケース、しかも気をつけろっていっても無理だろというようなこれらのケースは、さほど気にしなくていい。
微量の出血による菌血症(血液に細菌が紛れ込むこと)は普通は白血球が何とかしてくれるから。
ただ、こういったケースで感染性心内膜炎にかかってしまうことも、実はある。
口の中が不潔だったとか、キズが案外深かったとか、出血がなかなか止まらなかったとか、何らかの理由により抵抗力が極端に弱まっていたりとか・・・。
念のために抗生剤を飲んでおいたほうがいいだろうと判断される場合があるので、気になるときは循環器の主治医に相談したほうがいいと思う。

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アスピリンジレンマ
2008 / 06 / 18 ( Wed )

アスピリンジレンマ」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
アスピリンは抗血小板剤で、血小板の凝集を抑制する作用があるということは前回の記事にも書いたけれど、一般的に「アスピリン」というと、解熱鎮痛剤というイメージのほうが強いのではないだろうか。

アスピリンが血小板の凝集を抑制するのは血小板の作用に大きく関係しているトロンボキサンという物質を抑えるため。
そしてそれだけでなく、アスピリンは「炎症・発熱・発痛増強物質」であるプロスタグランディンの合成を阻害することで熱を下げたり痛みをやわらげたりする働きもある。

前回の記事をよく読んだ方は「ん?」と思ったでしょ?
プロスタグランディンについても前回触れているけれど、この物質はたしかに炎症や発熱や痛みを誘発するけれども、それ以外に血管拡張作用や血液の循環を良くする作用もある。
ということは、解熱鎮痛目的でプロスタグランディンを抑えるのはたしかに有効だけれど、抗血小板剤として使用する場合、血小板の凝集を抑える一方でプロスタグランディンの合成をも妨げてしまうのなら効果が相殺されてしまうではないか!ってなことになる。
これを「アスピリンジレンマ」と言うらしい。

でも御安心を。
アスピリンの作用は、血小板に対してはものすごく効果的で少量でよく効くため、プロスタグランディンへの影響を最小限にしつつ、血小板に作用することが可能なのです。
つまり、アスピリンを抗血小板剤として使用する場合は、ごく少量を処方することが鉄則。
アスピリンの大量投与は逆に血栓塞栓症を促進することもあるので要注意!ということ。

さて、それで「アスピリンとドルナーのおもしろい関係」というのは、まさにこのアスピリンジレンマに関連していること。
これも前回の記事に書いたけれど、ドルナーというお薬は血管拡張作用や抗血小板作用があり、プロスタグランディンI2から作られている。

だから、けんちゃんのようにアスピリンとドルナーを併用して飲んでいると、アスピリンで抑えられてしまう恐れのあるプロスタグランディンをドルナーで補うことができるということ。
さらに、アスピリンの副作用のひつとつである胃へのダメージも、プロスタグランディンの作用のひとつ「胃壁保護」で相殺されるという、まぁなんてすばらしい♪という関係なのです。

たくさんのお薬を処方されて、それをただ指示通りに飲ませているけれど、なるほど薬の組み合わせっていうのはうまく出来ているんだな、というかしっかり考えられて理由があってそうなっているんだなと、それをとても「おもしろいな~」と思ったわけ。
だからしっかり指示通りにお薬は飲まないといけないなとも思った。
当たり前のことだけどね^^;


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