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グレン手術の説明
2006 / 12 / 09 ( Sat )
忘れないうちに書きとめておきます。

まずは、執刀医のメモから


<診断>
1.単心室
2.肺動脈閉鎖
3.両側上大静脈(左上大静脈遺残)
4.右上大静脈閉鎖
5.中心肺動脈狭窄
6.右BTシャント術後

<病態>
左肺に流れる血液が少なく酸素飽和度が低い。
上大静脈(上半身の血液が心臓に戻る通路)が2本あり、そのうち右上大静脈がBTシャント手術の影響で閉鎖している。
その分、左上大静脈が大きくなっている。

<手術>
グレン手術
左上大静脈を肺動脈へ吻合する。
BTシャントは残す。
中心肺動脈の狭窄はフォンタン手術の際に修復する。
右上大静脈を結さつするかそのまま残すかは、手術中に判断して決める。

<危険性>
1.上半身のうっ血、浮腫(むくみ)、胸水
2.出血
3.不整脈
4.脳障害
5.感染


このメモをもとに説明を聞いた。

グレン手術とは、上半身から還ってくる静脈血を、心臓を介さずに直接肺へ流すために右上大静脈を心臓から切り離して肺動脈へつなぐ手術である。
フォンタン手術への段階的な手術。
グレン手術では人工心肺装置を使用する。

前回の手術前よりも病気が増えた。
右上大静脈閉鎖と中心肺動脈狭窄のふたつ。

右上大静脈の閉鎖は、前回のBTシャント手術の際に右首から入れていた点滴の影響で炎症を起こし、詰まってしまったと思われる。
通常、上半身から還ってくるルートである右上大静脈は、最終的に左右両方の静脈が合わさった太いものであるが、この子の場合、右上大静脈と左上大静脈に分かれてしまっているために、右上大静脈が普通の子に比べてかなり細い。
そのために、簡単に閉鎖してしまった。
開通する可能性は少ない。
幸いなことに、右上大静脈から派生している側副血管のほとんどは左上大静脈につながっており(閉鎖箇所から下半身へそのまま流れてしまっている側副血管もある)、左上大静脈から心臓へ静脈血が戻る循環になっていて、左上大静脈は大きく育ってきている。
「閉鎖」としているが、実は右上大静脈から心臓へ流れている血液もほんの少しある。
今回の手術でこの閉鎖してしまった右上大静脈をどう処置するかは2通りあって、閉鎖箇所で結さつするか、そのままにしておくかのどちらか。
それは、手術中に判断する。
というのも、グレンの圧の調整のためにそのまま残しておいたほうがいい場合と、逆にグレンの流れをジャマするので結さつしたほうがいい場合があるため。

肺動脈の真ん中が狭くなっているのは、動脈管が閉じた際に生じたもの。
動脈管の組織が肺動脈の中にまで食い込んでいたために、閉じるときに肺動脈を巻き込む形になってしまった。
現在、左肺には血液がほとんど流れていない状態になっている。
右肺へは、前回のBTシャントでつけた人工血管から血が流れている状態だが、その人工血管が3ミリと細いことと、左肺の酸素を取り込めないために、酸素が足りなくなってしまった。

通常のグレン手術は、BTシャントを取り、右上大静脈を肺動脈につなぐ手術であるが、肺動脈の狭窄があるために、BTシャントを取ってしまうと酸素飽和度の改善が期待できないので、BTシャントを残したまま左上大静脈をつなぐ手術となる。
右肺へはシャントからの血液が、左肺へは左上大静脈からの血液が流れることになり、酸素飽和度は90%ぐらいになると予想している。
肺動脈中央の狭窄は、次回のフォンタン手術の際にちょうどその位置に人工血管をつなぐことになるため、そのときに修復すれば良い。

しかし、大静脈が細いと、圧が高くなり、うまく肺動脈へ流れない恐れもある。
グレン手術直後の吻合部分の理想的な圧は12mmHg。
これが20になると、もう流れなくなってしまう。
それを、右上大静脈を残すか結さつするかで調整する予定だが、それでもうまく流れない場合は、BTシャントを取ってしまう可能性もある。
その場合、右肺へ血が流れるように肺動脈の狭窄部分の形成手術をあわせて行うこととなる。

つまり、肺動脈に大静脈をつなぐグレン手術を行うというベースはかわらないが、
1.閉鎖した右上大静脈をそのまま残し、BTシャントもそのまま残す
2.閉鎖した右上大静脈を結さつし、BTシャントはそのまま残す
3.閉鎖した右上大静脈を結さつし、BTシャントを取り、肺動脈の修復をする
という、3通りの可能性がある。
どうするかは、グレンの流れを見て手術中に決める。
1、2のパターンだと、手術時間は麻酔を含めて3時間。
3のパターンだと、麻酔を含めて5時間の手術となる。

グレン手術は、心臓の負担を軽くしてあげられる手術だが、今回の場合は通常のグレン手術とは異なるために、心臓の負担は残念ながら今とかわらない。
上半身のむくみや胸水もかなりあるかもしれない。

BTシャントを残した場合、3ミリの細いシャントはあと6ヶ月程度しか持たないと思われる。
6ヵ月後にカテーテル検査を行い、評価が良ければすぐにフォンタン手術を行う予定。

この病院では、ここ3年間でグレン手術を40例行っているが、その中で今回は2番目に月齢が低い。
ただ、体重に関しては4800gあるので2番目に低いというわけではない。
1番月齢の低い子は生後2ヶ月で行った。
その子は無事フォンタン手術までたどり着いている。

一般的に「グレン手術は4~6ヶ月に行うのがベスト」と言われているが、最近の研究ではもっと早い時期でも大丈夫であることがわかってきている。
問題は静脈の圧であって、それさえクリアしていれば生後1ヶ月でも大丈夫なのではないかと言われているが、それにチャレンジする医師がいないのが現状。

命の危険は、前回のBTシャント手術ほどではない。

結局、どれにも当てはまらないパターンの手術となりました。


追記:ずいぶんあとになってからたまたま知ったことだけれど
「右肺へはシャントからの血液が、左肺へは上大静脈からの血液が」という方式は、有名な静岡こども病院のS先生があみ出した(?)わりと新しいものらしい。
BTシャント術後グレン手術にステップアップするときに、わざとシャントを残し片肺へはシャント、もう片肺へは上大静脈の血流がいくようにし、肺動脈の中央はふさいでしまうというもの。
それによって肺動脈の成長が促されるらしい。
どういう症状の子にこの方式が適用されるのかは不明だが、左右の肺動脈の成長がアンバランスな場合にやるとかなんとか。。。
けんちゃんの場合はちょうど肺動脈の中央が狭窄していたので、A医師がその方式でやってみることにしたんだなと。
(ただこの情報は、ネットでチラっと見て、おまけにそのときには「ふ~ん」ぐらいにしか思っていなかったのでブックマークなどもしておらず
あとから「そうか、A医師の狙いはあの方式だったのか!」とようやく気づいたときには、それをどのページで見たのかわからず・・・という不確かなものなので、鵜呑みにしないでください)

★追記★
この術式の名前がわかりました!
「intrapulmonary septation」です。

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23 : 12 : 52 | 手術のこと | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
グレン手術の説明を聞いて
2006 / 12 / 09 ( Sat )
なんだか、もりだくさんすぎて気持ちの整理がなかなかつかない。

中央肺動脈の狭窄については、前回の手術の後、退院する際に医師からちらっと「エコーで見ると、動脈管に引きずられる形で狭くなっている箇所がある」と言われていたので、いつか形成手術をするんだろうなとは思っていたが、そんなに狭窄がひどいとは思っていなかった。

そして何よりショックだったのが、右上大静脈の閉鎖。
「こういうことがあるので、首の点滴はなるべく早く抜くようにはしているんですが・・・」と説明されたが、結果的に防げなかったことになる。
左上大静脈があってよかったと思う反面、そもそも上大静脈が左右2本に分かれていなければ閉鎖することなんてなかったのか?とも思う。

グレンまでいけば、心臓の負担が軽くなって楽になるんだと思っていたのに、それも望めなくて、なんだかけんちゃんがかわいそう。

おまけに、ヘタするとフォンタン手術が半年後!?
半年後ってまだ9ヶ月なのに。
当初の予定では、1歳~1歳半っていう説明だったはずだ。
大丈夫なの・・・?
いや、信頼しているA医師が「やりましょう」と言ったら、私たち夫婦はセカンドオピニオンを求めることなく、A医師に全てを託すことになるだろう。
今回のグレン手術のやり方にしたって同じ。
A医師でダメなら、ほかの医師でもダメなんだと思う。
それぐらい腕のいい外科医だと思うし、信頼もしている。
それでもやっぱり不安・・・・・

術後、もしむくみがひどかったら、ぱんぱんに腫れているけんちゃんの顔を
私は冷静に直視できるんだろうか?
00 : 32 : 27 | 手術のこと | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
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