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人工心肺の豆知識
2008 / 02 / 05 ( Tue )
さぁ、仕方ないからまた勉強だ!(ヤケクソ)

今回は以前どこかで予告していた人工心肺装置・対外循環に関すること。
心臓の手術にはつきものの装置です。
(最近はフォンタンでも人工心肺を使用しないオフポンプ手術もありますが)

勉強して「なるほどね~」と思ったことを、覚書としてのこしておきます。


通常循環での脳への血流は、心拍出量の15%

  体外循環中の脳梗塞の頻度は1~5%という報告がある
  多くの例ではカニュレーションや手術操作に起因した塞栓症が原因で
  体外循環に伴う脳への血流量不全による脳障害の発生頻度はごくわずか

通常循環での腎臓への血流は、心拍出量の20%

  体外循環中の尿量の測定は非常に重要で、腎血流を反映するだけでなく
  他臓器への血流量の間接的指標にもなっている
  これが維持されていれば全身の臓器灌流が維持されていることを表す
  体外循環中の尿量は1ml/時/?を維持するようにする
  術後の腎不全の発生率は体外循環時間が長いほど高くなる

通常循環での肝臓への血流は、心拍出量の25~30%


体外循環中は血小板が30~50%減少する


体外循環中は免疫系にも大きな変動をもたらす

  従来は患者の免疫機能を低下させるとかんがえられてきたが
  その後の研究では、一部活性化される免疫があることが判明
  いずれの場合も正常な術後経過をたどると1週間でその影響は終了する

無輸血体外循環

  無輸血の目的は感染症(肝炎やHIVなど)の防止
  血液を充填液で20~50%希釈する
  あまりに高度な希釈は水分の漏出をきたし、ひどい浮腫が出る危険がある
  小児の場合、無輸血体外循環の希釈限界はヘモグロビンの値が5以上
  ただし、フォンタン手術に関しては術後の低心拍出状態が必至であるため
  体外循環離脱時のヘモグロビンの値が9~10以上あるのが望ましい

  (フォンタン後はなぜ低心拍出状態が必至なのかは、こちら→click!
   前負荷と後負荷の記述を参照)
  
体外循環終了時にはヘパリンの中和剤として硫酸プロタミンを投与する

  ヘパリンの効果による大出血を防ぐため

側副血管に注意

  側副血管が多いと体外循環中の灌流圧が低くなりすぎることが多い

左上大静脈遺残に注意

  左上大静脈の存在と、どこにつながっているかの事前把握が必要
  存在を確認しないまま心房切開を行うと多量の血液が流入する
  一時遮断で済むのかあるいは脱血管を1本多く挿入するか判断する
  
心筋保護液

  単純に心臓の血流を遮断した場合の安全限界は30分未満
  これが「心筋保護法」の発達により3時間以内であれば安全になった
  心筋保護液の投与方法は2種類ある
  ・大動脈または冠状動脈口より投与する「順行性心筋保護」
  ・冠状静脈洞より逆行させて注入する「逆行性心筋保護」
  手術部位により投与方法をかえる
  (たとえば、大動脈の手術の場合は「逆行性」にするとか)


参考文献
『最新 人工心肺 理論と実際』(阿部稔雄・上田裕一/編 名古屋大学出版会)


※側副血管と左上大静脈遺残に関することはまた別の記事で詳しく書く予定です

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