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フォンタン手術後の運動について
2008 / 04 / 30 ( Wed )
もうすぐ1歳8ヶ月になるけんちゃん、フォンタン手術からもうすぐ2ヶ月。
入院で衰えた筋力はすぐには戻らないけれど、それでも最近やっと思い通りにハイハイできるようになってきた。
同じ月齢の健康な子と発達を比べることなんてハナっからしていないけど、おまけに同じ重症心疾患の子と比べても明らかに発達が遅すぎるけれど、逆に今はまだあまり動き回らないでいてくれるほうがありがたいとも思う。
発達はのんびりでいい。
フォンタン循環が完全に体になじんだ頃に走れるようになればいいかな。
ワーファリンを飲んでいるし、いきなり走り回ったりされるのも正直怖い。
酸素をしている限り、動ける範囲が制限されてしまうしね・・・^^;
欲を言えば、のんびりでいいけど幼稚園に入園する頃には酸素も取れて、発達の遅れもたいして気にならない程度まで追いついているといいんだけど。
(贅沢言うなって?)

将来のフォンタン循環が良好ならば、マラソンや海での遠泳など健康な人でもどうにかなってしまいそうな激しい運動を除き制限は設けないと聞いている。
退院のときに心臓血管外科のT医師にもフォンタン後の運動制限についてあれこれ聞いて「その都度、そのときの状態を見ながら考えていきましょう」と言われているから、今からあれこれ心配するのも時期尚早ではあるんだけど、一応今の時点で勉強したことをまとめておこうと思う。


【フォンタン手術後の運動について】
肺への血流を心臓のポンプを使わずに流しているという非生理的で特殊な血行動態であるフォンタン循環は、その前段階のグレン循環と比較するとチアノーゼがなくなり(あるいは軽減し)運動耐容能も飛躍的に向上する(だからこそ「機能的根治」などと表現されるのだけど)ものの、健康な子供と同じだけの運動耐容能が約束されているのかというと、そうではない。

様々な文献や研究によると「フォンタン手術後の運動能は通常の50~60%」と表現されていることが多い。
なぜかというと、フォンタン循環では一回の心拍出量が少なく、安静時・運動時ともに正常の60%程度とされているから。
1回の心拍動で送り出される血液量が少ないということは、激しい運動をしたときに体をめぐる酸素の量が少なくなりやすいということ。

健康な体の場合でも運動をすると大量の酸素を必要とすることから、心拍数も呼吸数も上昇する。
これはフォンタン循環でも同じことで、ある程度の運動までは心拍数の上昇が正常と同等、もしくはそれ以上(正常の15%超)になるという報告もある。
つまり、少ない心拍出量を心拍数で補っているということになる。
ただそれが長時間継続しない。
また、中には運動しても心拍数がほとんど上がらないというケースもあり、フォンタン循環において激しい運動の継続を禁忌としているのはこのためである。

ある報告によれば、運動時の最大酸素摂取量をフォンタン手術を受けた年齢で比較したところ、年齢と摂取量が反比例の関係を示すらしい。
つまり、フォンタン手術を受けた年齢が低いほど最大酸素摂取量が多いということ。
心室に負荷がかかっている状況下では心筋が徐々に肥大化していくるという。
心筋が必要以上に肥大化すると心臓の壁がかたくなり、心臓の収縮に障害が起きてくる。
時間が経過するほど、負荷が軽減しても元に戻りにくくなる。
心室の負荷を早期に解除してあげることが将来の運動耐容能にも影響を与えることとなるとのこと。

素人的には、「フォンタン循環」といえば「静脈血をいかにスムーズに肺へ流すか」ということばかりが気にかかるところだが、実は残されたひとつの心室の状態も常に気にかけていかないといけないっていうことなんだ。
当たり前なんだけど。
おまけに、手術の時期をこちらから指図できるものではないし、じゃあどうすればいいわけ?ってかんじだが^^;
ま、最近はフォンタン手術を2歳ぐらいまでにやってしまうのが主流だから、これはあまり気にしなくてもいいのかもしれない。

運動耐容能が通常の50~60%ということを悲観せずに、その範囲内での運動を積極的にやっていくというのも大事なことらしい。


ここまでは医学的な文献に小難しく書かれている内容で、じゃあ実際どの程度の運動なら大丈夫なのさ!ってことなんだよね。
それは個人差が大きく、同じフォンタン循環でも基礎疾患はさまざまあるし、しかもその子の性格や運動神経によっても大きくかわってくるし、医師の意見もさまざまだし、結局T医師の言うとおり「その都度考えていく」ってことになってしまう。
実際、学校の体育の授業程度なら普通に参加している子も多いと聞いた。

フォンタン循環は絶えず自発呼吸をすることが良好な状態を保つカギとなっていることから、息をつめるようなことは禁止されている。
水泳はOKだけど潜水はダメ。という医師もいれば、水泳そのものを禁止する医師もいるという。
息をつめるのは水泳だけではない。
懸垂とか腕相撲とか綱引きだってそうだし、給食当番で牛乳瓶を運ぶ作業だってそうだし、そうきんがけだってかなり危ういのでは?
便秘でいきんだときは?
遠足で長時間山登りするのは大丈夫?
運動会の全員リレーのように「自分のせいでチーム全体に迷惑がかかる」と思って頑張りすぎちゃったりすることはないだろうか?

男の子って、息をどれぐらい止めていられるかとか、息を止めて力んでどれぐらい顔が赤くなるかっていうのを競う遊び(?)をするじゃない?(おバカよねー!)
ああいうのを「絶対やっちゃダメよ!!」と口を酸っぱくしてけんちゃんに言い聞かせる自分が近い将来絶対いるだろう^^;

いずれ自分の手から離れて集団生活を送ることに対する不安はいっぱいある。
心配しすぎて何でもかんでも制限するのはかわいそう。
せっかく頑張ってフォンタン手術を終えたんだもの、運動会だって遠足だってみんなと同じように参加させてあげたい。
本人が「これ以上無理したらしんどいな」と経験から学ぶことも多いだろう。
かといって「何でもチャレンジしなさい♪」とは言えない。
フォンタン手術を終えたからといって、重症心疾患で生まれてきた以上、突然死のリスクは健常児に比べてはるかに高いのだ。

高安病という難病の合併症で突然死した私の妹は、母としょっちゅう衝突していた。
「私のやりたいようにやらせて!」と。
仕事だって続けたい、恋もしたい、買い物や病院についてこないで!と。
家でじっとおとなしくしてただ生きているだけなら死んだほうがマシ!とまで言っていた。
25歳のいい大人だってそうだったんだ。
まして、けんちゃんが血気盛んな10代の男の子になったら、何を言い出して何をやらかすんだろう。
そのとき私は「そんなこと言って、ほんとは自分が突然死んじゃうだなんて思っていないんでしょう?お母さんの妹はほんとにそれで死んじゃったのよ。残されるこっちの身にもなってよ!」なんて泣きながら脅すんだろうか。

何でも母親のいうことを素直にきくような軟弱な男にはなってほしくない。
でも無理してほしくない。
けんちゃんが、体を動かすのが大好き&泳ぐのが大好きな子に育つのか、それともそうならないように私がうまく興味の対象を家でのんびり過ごせるようなものへと向くように仕向けていくのか。

その都度、先生や先輩ママやお友達に相談しながら、けんちゃんにとっても私にとっても最良の道を選んでいきたい。
フォンタン手術を終えて、こうして将来の運動の心配をできるようになったことを感謝しつつ。


補足記事はこちら→click!


:参考文献:
『Annual Review 循環器 2001』(中外医学社)
 「Fontan循環」(近藤千里)

『心臓病児者の幸せのために』(全国心臓病の子どもを守る会)

『心疾患患者の学校、職域、スポーツにおける運動許容条件に関するガイドライン』
(http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2003_kawakubo_h.pdf)

『心疾患における運動療法に関するガイドライン』
(http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2002_saitoh_h.pdf)

『先天性心疾患術後遠隔期の管理・侵襲的治療に関するガイドライン』
(http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2007_echigo_d.pdf)

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コメント
--No title--

あ~なんかわかります。
運動制限のことは個人差があると聞いていても、うちの子はどれくらいやらせてあげれるんだろうと、気になっています。
それこそ、水泳やって、サッカーやってみたいな人もいるみたいだし。
でも酸素がずっと手放せない人もいるみたいだし。。。
何がどう違ってそうなるのかなぁ??
うちのお姉ちゃんみたいな鈍ちんの子も走り回って鬼ごっこ好きだし、我慢できるのかなぁ。。。
お姉ちゃんよりもおちびの方が活発な性格な感じなんで今から心配です。
ましてやけんちゃんは男の子だもんね。心配だぁ!!
お年頃になった時ってどうなるんだろーね。
その頃もずっとこうやって交流してたいなぁ。。。
by: まぁちん * 2008/04/30 20:13 * URL [ 編集 ] | page top
--まぁちんさんへ--

そうなんだよね。
普通のことかわらないかそれ以上に運動している子もいれば、厳しい運動制限がある子もいるし・・・
そしてなぜか、こういう子にかぎって、体を動かすのが好きだったりするんだよね~^^;
これから先も末永く情報交換していきましょう!
by: てん * 2008/05/01 00:30 * URL [ 編集 ] | page top
--管理人のみ閲覧できます--

このコメントは管理人のみ閲覧できます
by: * 2008/05/01 00:35 * [ 編集 ] | page top
--No title--

すみません、先ほどコメント送信しましたが、別に秘密ではありません。
ぼんやり、チェックボックスチェックしてしまいました。
by: ゆきママ * 2008/05/01 00:37 * URL [ 編集 ] | page top
--ゆきママさんへ--

ずっと健康だった人がいきなり病気になって以前と同じように運動できなくなったらさぞツライんでしょうけど、もともと病気でスポーツの経験がないのなら、本人もあまりスポーツに興味を示さないんじゃないの?とも思っているんですが、得てして、そういう子にかぎって「スポーツやりたい!」とか言い出すんでしょうね~^^;

手術、延期になってしまって残念でしたね。延期になったときの「ガックリ感」は私もよーく知っています(笑)
次こそは!
応援してます♪
by: てん * 2008/05/01 01:46 * URL [ 編集 ] | page top
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