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フォンタン後のワーファリンに関すること
2008 / 09 / 25 ( Thu )
けんちゃん、おとといからちょっぴり鼻たれ小僧です。
2週間後にカテーテル検査を控えているから早めに小児科を受診して、ポララミンシロップ・エリスロシンドライシロップ・プルスマリン・塩化リゾチームをもらってきた。
早くよくなりますように☆
といっても、昨日は小学校の懇談会に連れ出し、明日は幼稚園の親子遠足。
末っ子はゆっくり休んでいられなくてツライわね^^;

けんちゃんはエリスロシン(抗生剤)の味があまり好きではないのだけど、それでもいつもの心臓のお薬とあわせて水だけで溶いてスポイトで飲んでくれる。
たまに「おえっ」ってなってしまうけど、あの不味かったミノマイシン(抗生剤)やフェロミア(鉄剤)に比べたら全然まし。
お兄ちゃんやお姉ちゃんが2歳ぐらいのときには病気になるたびにどうごまかしてお薬を飲ませようかと頭を悩ませたものだったが、けんちゃんは生まれてから今までごまかし一切ナシ。
薬を何かほかの飲み物や食べ物に混ぜて飲ませたことはない。
これから先もずっと薬の服用がつきまとうはず。
だから、いちいちごまかしていられないから。

さて、一生つきまとう云々といえば、ワーファリンのこと。
最近一番熱心にネット検索しているのがワーファリン。
しつこい性格なのでとことん調べます(笑)

以前、フォンタン手術後の諸問題について書いた記事の中で「人工血管の使用不使用にかかわらず、フォンタン循環では凝固異常が存在するという報告もあり、術式に関係なく何らかの抗凝固療法が必要(これに関する詳細は長くなるのでまた別途記事にする予定)」と書いたっきりになっていて、詳細を書きたかったのだけど、凝固異常に関する資料が少ないのと(それをそのまま鵜呑みにして紹介していいものかどうか・・・)ワーファリンのことを調べれば調べるほど奥が深くてどうにもまとまらないまま今に至っている。

いつかもっとわかりやすく上手くまとめられる日がくると期待しつつ、とりあえず覚書として。
(何もシロウトがそこまで頑張る必要もないだろ、とつっこむ自分もいたりする^^;)

ワーファリンは昔、殺鼠剤だった。
というのを御存知の方は多いと思う。
現在では「重大な出血を1回ひきおこすごとに20回の脳卒中を予防している」と言われるほど治療効果が絶大であり、かつ使用方法を間違うと危険な薬。
どんな薬でも「治療薬」と「毒」という二面性を持つものなのだろうけど、ワーファリンは結構ヤバイ「両刃の剣」だと私は思っている。
しかも気難しい・・・。
血が止まりにくいというのはもちろんのこと、定期的な血液検査が必要だし、食事の制約もあるし、体調によって効果が大きく変動したりもする。
けんちゃんは男の子だけど、もし女の子だった場合は妊娠・出産にも影響を及ぼすし。

だから出来ることならやめたい、というのが本音。
どうしてもやめたければ、フォンタン後のワーファリンが不要という方針の病院に移ってしまえばすむ話だけど、それは安直過ぎる。
主治医のY医師に「脳梗塞が怖い」なんて言われちゃ、それを無視するのもねぇ・・・^^;

ワーファリンがビタミンKを阻害して肝臓での血液凝固因子の合成を抑えているということは何度も書いているけれど、ビタミンKについて調べてみるとこれまたなかなかおもしろい。
ビタミンKはなぜ「K」か知ってる?
最初に発見されたときに血液の凝固を大きく左右する物質として発見されたから、オランダ語(発見者はデンマーク人)の「凝固(koagulation)」の頭文字をとって「ビタミンK」と呼ばれるようになったんだとか。

ビタミンKは血液凝固因子だけでなく、ほかにも体内で作られるさまざまな物質の合成に関係している。
それをいちいち説明していたらきりがないから省くけれど、見過ごせないのはプロテインCの合成にも関係しているという点。
このプロテインCというタンパク質は抗凝固作用があり、凝固因子VaおよびVIIIaを抑えて血栓を溶かす働きをする。

血管の中では常に凝固と線溶(血栓を溶かして分解)を繰り返していて、様々な凝固系の物質・線溶系の物質がうまくバランスを保っているのが普通。
このバランスが病気や生活習慣などで崩れると、血栓ができやすくなったり血がとまりにくくなったりする。

ワーファリンでビタミンKを阻害するということは、凝固因子の合成を抑えるだけでなく、実は抗凝固因子の合成をも抑えていることになる。
ワーファリンの作用は凝固因子よりもプロテインCのほうに先に影響を与えるため、ワーファリン服用初期段階での大量投与は逆に血が固まる方向に傾く恐れがあるので注意が必要らしい。
これって、アスピリンジレンマとよく似てる。

で、このプロテインCなのだけど、けんちゃんの場合は生後1ヶ月からずっとワーファリンを飲み続けているから、もし検査をしたらたぶんプロテインCの血中濃度は低いのだろう。
でもフォンタン循環の人はワーファリンを服用していなくてもプロテインCの血中濃度が低い人が多いという研究報告がある。
抗凝固作用のあるプロテインCの濃度が低いということは、血が固まりやすい=血栓ができやすい状態になっているということ。
そしてこのプロテインCの低下は、肝機能が正常値でかつフォンタン後の経過が良好である人にもみられることがあるらしい。
(プロテインCの異常値が、フォンタン後から発生するものなのか、それとも先天的なものなのかはまだ解明されていない。)

フォンタン循環というのは、静脈圧が高く、流れがゆっくりしている。
これをわかりやすくいうと、「エコノミークラス症候群」と同じ状態だということ。しかも、常に。
そこへプロテインCが欠乏したらどうなるか・・・。
フォンタン後の血栓塞栓症はこのプロテインCの関与が有力視されているらしい。

こういったフォンタン循環での凝固系の異常を重視した場合、フォンタン後は積極的な抗凝固療法が必要だということになる。
よく「現在のフォンタンの術式では人工血管を使用するからワーファリンが必要」と言われているけれど、心臓の手術で人工血管やパッチなどの人工物を使用することはよくあることで、そういう人たち全てが術後にワーファリンを服用し続けているわけではない。
「人工血管=ワーファリン」というよりもむしろ「フォンタン循環=ワーファリン」なのだ。
つまり、術式に関係なく(人工血管を使用していなくても)フォンタン循環は何らかの抗凝固療法が必須。
そして、血栓形成とそれによって引き起こされる脳梗塞などのリスクを極力抑えたいのならワーファリンの服用を第一選択とするべき。

というのが、フォンタン後のワーファリン服用を推奨している先生方の考えのようだ。(私の勝手な思い込みかもしれないが)

術後1年程度でワーファリンを中止する病院も増えている。
中にはフォンタン後1年ほどで状態がよければ全ての薬がなくなる病院もあるらしい。
薬を一切飲まず、酸素もせず、運動制限ナシ。
なんてうらやましいっ!(でも、それだとたぶん身障認定はもちろんのこと、特別児童扶養者手当や小児慢性特定疾患の助成対象からもはずれてしまうのでは?^^;)
ただ、フォンタンは術後1年以内と10年以降で血栓塞栓症を発症する確率が高いという研究報告もあり、薬を一切やめている場合でも「大きくなったらまた再開することになると思う」と言われるみたいだけれど。

中学生ぐらいになってからワーファリンを飲み始めたら、きちんと自己管理できるんだろうか?
まぁ、幼児に比べて頭を打ったり転んだりする割合は低いだろうけど、それまで普通に過ごしてきた男子中学生にいきなり「ワーファリン飲んでいるんだから気をつけなさいよ」と言っても聞く耳を持たないような気も・・・
と、考えれば考えるほどいろんな妄想が膨らんできて(笑)ますます収集がつかなくなる。

次は、じゃあワーファリン不要としている先生はどういった根拠でその方針にしているのか。
フォンタン循環における凝固系の異常をそこまで重視していないということなのか。
アスピリンのみで脳梗塞を予防できるのか。
と、逆の立場の意見を知りたいんだけど、今のところその機会に恵まれていない。

今年の学会でもそんなテーマがあったみたいだけど ↓
http://www.nv-med.com/pcs/meeting/program.php?mc=44&day=1&hallsub=2

これからさらに研究が進んで、けんちゃんが大人になる頃には結論が出ているのかしらね?


【参考文献】
Annual Rview循環器2004『Fontan循環と凝固線溶系の異常』(石川司朗)
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コメント
--No title--

薬の副作用っていろいろな問題をはらんでるね。
飲まなくても良好な健康状態になって欲しーい!!

けんちゃんがキューっと抱きついてくれる感触、とても愛おしいわ~!
お姉ちゃんの笑顔を見ても、愛されて育っている子供達だなーって思います。
てんさん、アンタは偉い!
by: くるみん * 2008/09/25 23:16 * URL [ 編集 ] | page top
--くるみんさんへ--

助成対象から外れたって、お薬が全くなくて外来の頻度も少なければ全く問題ないよね。
でも・・・けんちゃんは、そうならないだろうなぁ^^;

毎回、お姉ちゃんの落ち着きのなさとお行儀の悪さが恥ずかしいわ(;´▽`)=з
そう思ってくれているだなんて、救われた気分!!
by: てん * 2008/09/26 15:17 * URL [ 編集 ] | page top
--No title--

こんばんは。
フォンタン=ワーファリン、興味深く読ませていただきました。何が正しいか、何を選択するのか専門家であるお医者様でも意見が分かれているものを判断していかないといけないとは親って大変!

お薬については、術後1ヶ月ICUから出れなかったときにとても強い抗生剤を使っていたらしく、「もしかしたら難聴(副作用で)かも」なんて言われています。色々ありますよね。。。
by: myu * 2008/09/26 21:28 * URL [ 編集 ] | page top
--myuさんへ--

もしお世話になっている病院がワーファリン不要の方針だったとしたら、あまり考えずに「ワーファリンも近いうちに飲まなくてよくなる♪」って思うんでしょうけど、知れば知るほど万が一転勤などで病院をかわって、そこで「ワーファリンはもう飲まなくていい」と言われたらどうしよう・・・と思ってしまいます^^;
なーんか不思議ですよね。早く全国統一してくれればいいのに。

聴力検査、もう結果は出ましたか?
心臓だけでもう十分!って思うのに、いろいろありますよねぇ・・・
by: てん * 2008/09/27 01:57 * URL [ 編集 ] | page top
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